戸叶先生が臨床免疫学会に発表しました。
演題は「SARS-CoV-2スパイクタンパク由来ペプチド特異的T細胞IL-8応答の、キヌレニンによる可逆性増強と1残基置換による人為的抑制 」
今回S蛋白由来SARS-CoV2ワクチンでプライミングした健常人末梢血単核細胞からp176-190特異的なT細胞を樹立し、以下を示しました:i)キヌレニンとの共培養でIL-8産生が増加する;ii)サイトカイン産生はキヌレニン非存在下で元のレベルに回復する;iii)176Leucineを中性親水性セリンに置換したペプチドp176-190は、TM45.2のサイトカイン応答を消失させ、176LがHLA-DRに結合するための第一アンカー残基であることが示唆される。これらの結果からi)COVID-19感染で産生されるキヌレニンによってIL-8応答の増強が誘導され得る、ii)この応答はT細胞の表現型における永続的な変化ではない、iii)有害な好中球細胞外トラップに関連するIL-8応答は、ウイルス抗原のアミノ酸残基の置換1つによって消失し得ることが考えられた。これらの知見は、キヌレニン産生亢進を伴うウイルス感染症に対するワクチン設計の新しい戦略に光を当てるかもしれません。